恐怖と絶景の鎖場体験!春の石鎚山登山記|弥山まで

読みもの

西日本最高峰・石鎚山(1982m)に初めて挑んだのは、2011年4月。
春とはいえ、山にはまだ雪が残り、名物の鎖場はスリル満点。
初心者だった自分にとって、まさに「試練と感動」の山旅となりました。


愛媛県西条市にある石鎚山には複数の登山ルートがありますが、
今回は定番の【成就ルート】を選択。
石鎚登山ロープウェイを利用して、成就社(石鎚神社)から登り始めます。

アクセスメモ

  • 松山自動車道「いよ西条IC」下車
  • 国道11号 → 194号 → 下谷駅へ

駐車場から坂道を登って『石鎚登山ロープウェイ山麓下谷駅』へ。
約7分で『山頂成就駅』に到着します。

さらにリフトで展望台まで登り、
徒歩で成就社(石鎚神社)へ。
ここで登山の無事を祈願して、いよいよ本格的な登山開始です。


成就社から歩き出すと、すぐに『八丁の下り』。
いったん下ってから登り返しが続きます。

しばらく進むと「前社森」に到着。
ここには名物『試しの鎖』(登り48m・下り19m)があり、挑戦してみることに。
下りの怖さが予想以上で、気が引き締まりました。

標高が上がるにつれて雪が現れ、「夜明かし峠」では美しい山容が目の前に。
弥山、天狗岳の姿がくっきりと見える快晴でした。


「一の鎖」はあっさりと通過。
問題は「二の鎖」の斜面。
雪で真っ白な上、鎖はかろうじて見える程度。
他の登山者も立ちすくんでいましたが、ベテランの方が
「迂回路はこちら」と右の斜面を案内してくれました。

ただ、その迂回路も雪の斜面で、20cm幅の足場を慎重に歩くしかありません。
不安を感じた私は、Amazonで購入しておいた
【軽アイゼン】をついに装着!

雪の鎖場に挑むなら、軽アイゼンが必須!
「モンベル コンパクトスノースパイク」は軽量で携帯性抜群。
初心者にも扱いやすく、私もこの装備で命拾いしました。

▶アイゼンを使った瞬間、世界が変わりました。
ズリッと滑る不安が一切消え、安心して歩ける。
これはもう「登山装備の革命」と言ってもいいかもしれません。


三の鎖も順調にクリアし、ついに弥山山頂に到着!
頂上の「石鎚神社頂上山荘」では、飲み物や軽食も販売されています。
(少々お高めですが、山の上ではありがたい存在)

広場は360度の大展望。
天狗岳が鋭くそびえ、細い岩稜に人が取り付いているのが見えました。


昼食をとり、迷った末に「天狗岳にも行ってみよう」と行動開始。
広場奥から鎖をつかんで4mほど下ると、いよいよ難所へ。

ところが、そこは片側が垂直の絶壁。
岩によじ登った瞬間に恐怖がこみ上げてきました。

「これはムリだ」
無理して渡って戻れなくなったら…と考えたら、進めませんでした。

潔く撤退。安全第一です。


装備に助けられたおかげで、下山はスムーズ。
『夜明かし峠』からの下りは少し長く感じましたが、
『八丁の下り』を越えたら一気に楽に。

無事、成就社まで戻り、
石鎚山を拝める『遥拝殿』で感謝のお参り。

最後におみくじを引いたら「大吉」!
最高の締めくくりになりました。

時刻行動内容
07:45いよ西条IC通過
08:30ロープウェイ駐車場到着
09:00ロープウェイ乗車(山麓下谷駅)
09:07山頂成就駅到着
09:17リフト乗車
09:30成就社・登山開始
10:20試しの鎖
10:40夜明かし峠
11:20二の鎖通過
11:40弥山山頂到着
12:40天狗岳方面へ出発(撤退)
13:10下山開始
14:45成就社到着
15:27ロープウェイで下山
15:35駐車場に到着

初めての石鎚山は、期待以上に厳しく、そして美しい山でした。
アイゼンのありがたみを実感した体験でもあります。
安全に登山するには、装備と冷静な判断がとても大切。

「怖さ」も「達成感」も、ずっと忘れられない山行でした。

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